食いしん坊が行く


〜 安楽園 〜


ジャンル 中華料理
住   所 神奈川県横浜市中区山下町145
電   話 045−681−3811
備   考 火曜定休(祝祭日は営業
12:00〜21:00(20:30オーダーストップ)


 僕はこの数年、春節(中国のお正月)には横浜中華街に行っている。 なぜか関帝廟にお参りするのが好きな友人がおり、ご一緒しているのである。

 例年は昼食時に中華街に到着し、謝甜記で中華粥を食し、関帝廟詣、散策をして帰路につくのだが、 本年は泊まりがけで行ってみた。 その為、当然食事の回数も増え、いつも気になっても入れなかったお店にお邪魔することができたわけだ。

 このお店は、ずっと前から気になっていた。 僕は「何のお店だろう?」という疑問を常々抱いていた。 中華街の中心通りに面しているお店でありながら、他の店とは雰囲気が違う……。 昭和の香りというかなんというか、ちょっとレトロな雰囲気が漂っているのと、 飲食店や物販店の中にあって、そういった業種に見えなかったところが不思議だった。 なんというか、横溝正史の世界にある旅館といったイメージだ。

 しかし友人はこの店の正体を知っていた。 いぶかる僕に、「中華料理屋らしいよ」と。 なんでも高校の遠足で横浜に来たとき、同級生がこの店で食事をしたという話を聞いたというのだ。

 高校を出て数年。毎年気にしていたこのお店に、とうとう今年お邪魔した。

 中が見えない引き戸を開けると、うっかり中に金田一耕助がいそうなお店。 見渡すと、すぐには客席がない。 よって相当不安になったが、白衣を着た年配の女性が「いらっしゃいませ」と席に案内してくれた。 当然、その女性も"こたけさん"か"こうめさん"なのである(ちょっと大げさかな?)

 レトロなお席でメニューを開くと、お値段はなかなか高めだった。 中華街にも老舗と呼ばれるお店は沢山あるのだけれど、僕がお邪魔しているようなお店はかなりリーズナブル。 ちょっとギャップにとまどった。

 そしてご注文は、炒飯と固焼きそば、ナスの炒め物といったところ。 味はどれも美味しかった。なんていうのか複雑な味がして。 炒飯は甘味と塩味と旨みと……色々混じり合った味。炒め方とかはもちろんgoo。 パラパラだけどお米が柔らかかった。 良いですね〜。 固焼きそばは具材がたっぷり。イカやエビが入っているのだけれど、これも美味しい。 魚貝の臭みのようなものが全くなく、火が適度に通っているのでぷりぷりしていた。

 そして一番驚いたのはナスの唐辛子炒め。 僕は麻婆ナス的なものが出てくるのかな、と思っていたが、さにあらず。 多分、皮をむいたナスをスティック状に切り揚げる。 それを大学芋のように飴状にコーティングしつつ、唐辛子と調味料で味付けしたというカンジ。 不思議な食感と甘さと辛さと……。摩訶不思議な食べ物であった。

 僕は中華料理に詳しくないので、この料理がスタンダードなのかどうかわからないけれど、 なかなか手の込んだ一品だと思う。

 コチラのお店がレトロなのは前述の通り。 トイレが中庭にあるのも昭和っぽかった。 会計の時に、算盤でもはじきそうな女性に「ここは昔から料理屋さんですか?」 と尋ねると、「みなさんに旅館ですか、お風呂屋さんですかと聞かれますが、ずっと中華料理屋です」という答えだった。 ちなみに、店員さんもちょっと昭和っぽい。 年齢が高いこともそうだけれど、割烹着のようなものを着ていることや、フレンドリー且つ礼儀正しいことなど。 僕にとっては居心地の良い店だった。 次回は是非、大勢で行って、色々な料理を食べてみたいと思う。

 場所を一応ご紹介。JR石川町駅から中華街へ向かうと「善隣門」という入り口から入ることになると思う。 この門をくぐり大通りを進み、しばらく行った右手。 そこだけ時間が止まって見えるから、すぐにわかると思う。

 中華街の喧噪に疲れたときなどかなりオススメなお店だった。



ご馳走になった日:2005年2月

データは上記の日付のものです。
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